パドレスが結ぶ心温まる“長期契約” かつての有望選手を20年間サポート?
「マットは一生、パドレスの一員」、母親も「信じられない。本当に感謝している」
「マットに伝えたことは、君は一生、パドレスの一員だということ。ラリー・ルキーノが在任時も、彼はそうあるべきだと言っていた。私がいる限り、それは変わらない。彼はすばらしい青年。彼は車椅子生活で会話もスプーンを持つことも困難になってしまった。でも、彼の精神は研ぎ澄まされている。彼はユーモアの持ち主で一緒にいるだけで楽しい」
オッペンハイマー氏はこう語っている。ラチャッパ氏が倒れた当時の球団社長だったルキーノ氏(現レッドソックスCEO)も、オッペンハイマー氏の考えに同感していたという。
ラチャッパ氏の母親のリンダさんは「本当に素晴らしいこと。こんなことが起こるなんて信じられない。本当に感謝している」と語っている。パドレスは、レイクサイド地区のリトルリーグの球場修繕を援助したが、この球場の名前を病魔に倒れた左腕にちなんで「マット・ラチャッパ・フィールド」と改名したという。
今でもパドレスの試合を観戦することを楽しみにしているというラチャッパ氏。治療をサポートし続けるチームとの絆は、サンディエゴの街に刻まれることになる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count