注目のG新人・高木勇人はなぜ勝てる? 今後も勝ち星を伸ばせる要素とは
持ち前の体の強さと「捕手・阿部」の存在も好材料
球種が多いため、経験の豊富な相川亮二捕手が専属捕手になるプランだったが、負傷のため、阿部慎之助捕手が女房役となっている。これも高木にとっては心強い。巨人の新人投手が例年、どんな壁にぶつかるかを理解している。不調に陥った時に、どの投手やコーチにアドバイスを受ければいいのか。間合いの取り方やベンチとのコミュニケーションはどうすればいいのか。チームのことを熟知している阿部が捕手に復帰したことも、今後勝ち星を伸ばしていける要素になるだろう。
また、高木はアマチュア時代から、肩、肘の故障など大きなケガをしてきていない。体が強いということも大きな武器だ。
スタミナ面も豊富で、5回以降でも球速が落ちない。ピンチを迎えても勝負所と察知し、ギアを上げることも新人ながらできる。プロとアマの違いはあるが、社会人・三菱重工名古屋で7年投げ、先発だけでなくリリーフやクローザーを経験。あらゆる場面を乗り越えてきていることが、プロでの生き残りを後押しするに違いない。
ただ、これまでケガがなくても、プロ1年目で、不測の事態が起こる可能性もある。慣れない環境で故障も出てくるかもしれない。これは不安要素となるだろうが、そのためにしっかりとトレーニングコーチから話を聞き、練習を積んでいる最中である。本人のコメントにあったように、次への準備を怠ってはいない。
日曜日登板、多彩な変化球、阿部の捕手復帰、体の強さとスタミナ、社会人での経験……。多くの好材料を揃える高木勇人。これからも楽しみな存在であることは間違いない。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count