中日のドミニカンパワーがセを席巻 「3D」はなぜ活躍できるのか
先輩から後輩へと受け継がれる成功のバトン、人材と環境は中日の“財産”
2009年から4年間在籍したブランコは、後輩のドミニカンに手料理を振る舞い、美容師役を務めるなど、頼れる兄貴分となっていた。ルナも投打に的確なアドバイスを送り、仲間の手助けを惜しまなかった。初めて日本でプレーする選手にとっては、同郷の先輩の存在は何よりも心強いはずだ。
今季は17試合終了時点で、ルナが3割7分1厘、エルナンデスは3割3分3厘、ナニータが3割8分5厘と3人ともに高打率を叩き出している。先輩から後輩へと成功のバトンが受け継がれてきた中日は、他球団に比べ、力を発揮しやすい環境であることは確かだろう。
もちろん、毎年現地で視察を行い、獲得を決める森ヘッドコーチの“眼力”があってこその話しだ。「3D」は全員が来日1年目の推定年俸が3000万円前後。外国人野手特有の長打力ではなく、確実性や機動力、守備力が評価された選手たちだった。人材と環境。中日が持つ財産が、今季ここまでの成功につながっている。
ヒーローとなった14日の夜。ナニータは、お立ち台で「本当にうれしい。チームの力がつまった白星だと思います」と一丸での勝利を強調した。10勝一番乗りを果たし、首位を走る中日。グラウンドで戦うナインだけではない、「チームの力」を証明する快進撃を見せている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count