昨季まで9年連続Bクラスが開幕から奮闘 DeNAの強さは続く?

見た目で誤解を受けやすかった梶谷、ファーム時代の秘話とは

 現役時代にチームメートだった野口氏は、梶谷について「見た目は誤解を受けますよね。『お前やる気あんのか』って。覇気が全くないように見えるじゃないですか」と苦笑いで話す。そして、「実は1回、彼がファームで結果を残していて、1軍に上げてもらえなかった時があったんですけど、僕も怪我で2軍にいて『野口さん、僕はなんで1軍に上がれないんですか』と、相談を受けたことがあるんです」と秘話を明かす。

 当時、野口氏は梶谷にあるアドバイスを送ったという。それは、周囲の「誤解」を解くためのものだった。

「『じゃあ、そこを謙虚に受け止めて、姿を変えてみようか。お前は普通にやっているつもりなんだけど、周りの目にはそう映っていないだ。流してやっているように見えてしまう。それはしょうがない。だったら、見え方をちょっと変えてみようか。一生懸命やってるようにポーズでいいからやってみろ』と言ったんです」

 これに対して、梶谷は「分かりました。やってみます」と答えたという。野口氏は「(梶谷は)自分では気づかなかったんですね」と話す。

「『1軍に上がって結果を出して、押しも押されもせぬ選手になったら元に戻っていいよ』と言ったんです。『でも、天狗だって言われないように気をつけろ』と。彼がどこまで覚えてるかは知らないですけど、そういうことを言ったことはありました」

 その後のブレークは、誰もが知るとおりだ。昨年は自己最多の142試合に出場するなど、DeNAには欠かせない存在となった。

「ああやって、気が入ってないプレーをしているように見えるんですけど、彼は決してそうではない。見てる人に誤解を与えやすいけど、彼は昔から一生懸命やってますから。足は速いし、肩は強い。でも、あんなに打球を遠くまで飛ばすとは思わなかったです。体は大きくなってきてますね。以前はもっと細くて、スピードだけでしたから」

 本人の努力が実を結び、今年の活躍につながっていると野口氏は見ている。筒香、ロペスとともに、この先もチームを牽引していくことは間違いない。

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