【小島啓民の目】可能性を感じさせる19歳左腕 巨人・田口麗斗が持つ光る技術とは

指導が難しいボールリリース、安定したリリースポイント習得には反復練習が鍵

 去る4月11日、読売ジャイアンツの2年目、19歳の田口麗斗(かずと)投手がプロ初登板で初先発、初勝利の快挙をやってのけました。昨年、台湾で開催された21歳以下ワールドカップ代表メンバーとして共に戦った仲間の勝利に、私は非常に感銘を受けました。

 さらに負けはしましたが、18日の阪神タイガースとの試合でも6回途中、自責点1の内容でした。慣れない1軍で疲れもあってスタミナ不足からボールが最後の方は高くなってしまいましたが、自分できちんとコントロールできていた球は見事でした。

 田口投手の練習を初めて間近で見た時は、「身長はプロ選手としては小柄だな」、しかし「キレあるボールを投げるな」という感想でした。19歳とは思えない安定した投球フォームは、若い時にコントロールが極端に悪くなるような不安を全く感じませんでした。下半身の強さが支えているのは間違いありません。

 持って生まれたものなのか、または練習で培ってきたものなのか分かりませんが、リリースポイントでの手首の使い方やリズムなどは、秀でた技術でしたね。やはりプロ選手だなと感じさせられました。

 ピッチングを更に分析すると、得意のスライダーのキレ、バッターが打ちづらいタイミングでのボールリリースがすばらしい。打者が嫌がるタイプの投手です。プロでの実績はなくても、世界を相手に堂々としたピッチングは、大物ぶりを感じさせるほどでした。

 リリースポイントの安定感は、指導が難しく、ある意味、センスに頼る部分が多い。できている選手に聞いて見ると、「繰り返しの中で覚えていきました」と回答がきます。

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