全米ドラフト1巡目・巨人の新外国人投手アーロン・ポレダは成功するか
研究熱心で練習姿勢もまじめ、優しい一面も
顔は強面だが、非常に研究熱心なことが成功につながっている。「日本のバッターは当てるのがうまい。だから直球を中心にいろいろ変化球を投げ分けないと打ち取れない」と分析。キャッチャーやコーチからのアドバイスに耳を傾けて、ストレート重視だった配球からスライダーやチェンジアップなどを多く取り入れた。練習姿勢もまじめと評判だ。
初登板で負けた試合では若い小林誠司捕手とバッテリーを組んだ。2戦目以降はベテランの阿部慎之助が捕手に復帰していたため、組んで初勝利。阿部のリードがポレダの良さを引き出していた。しかし、4月17日、4度目の先発となった甲子園での阪神戦。阿部が1回表の攻撃で右太もも肉離れで負傷離脱。いきなり捕手があまり相性の良くなかった小林に代わった。
アメリカ人投手は日本と違い、自分主体でサインを出す。投げたいボールを投げるのが主流である。それでいて、言葉の壁などもあり、ただでさえ扱いが難しい。ひとつのリズムが崩されると、歯止めが利かなくなることも多い。しかし、ポレダは「小林と組むのは初めてではないからね。信頼して投げることができた」と嫌な顔ひとつもせずに、小林のサインを信じて投げていた。「阿部さんには早く元気になってもらいたい」と話すなど、優しい一面も見せている。
メジャーでドラフト1巡目で指名されながら、活躍できなかった苦労人。地道なトレーニング、仲間の支え、野球ができることや必要とされていることの喜びが今のポレダを支えている。粗削りな部分はまだあるが、日本で成功をつかんでほしい左腕である。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count