完全復活の兆し ロッテ涌井の明らかな変化とは

昨季までの涌井に見られた致命的な“欠陥”とは

 野口氏は、涌井が本来の投球をできていなかった原因についてこう説明する。

「ステップを踏み出した左足でブレーキをかけすぎて(体重が)前に乗らずに腕を振っていた。ある程度はブレーキを踏まないと、腕は振れてこないんですけど、(ブレーキが)効きすぎて体重が乗らないで腕を振ってるから、球が軽くて長打を浴びる。ボールがシュートしてコントロールミスする。(本来は)ある程度いいバランスで踏み出せて、ある程度のブレーキをかけながらの腕の走りがあるものなので、球が切れるんです」

 それが明らかに改善されたと同氏は指摘する。

「今年はコントロールミスもあまりしない。前で(ボールを)離せているからです。(悪い時は)遠いところで離すから、ボールをいかせようとすると、リリースがぶれて、シュート回転したりする。でも、長く持てると狙ったところにいくし、しかも長く持てばキレも増す。いいことずくめなんです。

 リリースポイントは多分、真横から見たら(昨年までと比べて)20~30センチ位違うんじゃないでしょうか。(オープン戦から)すごく前で離し始めたので、今年は大丈夫だなと思いました。明らかに違いましたから」

 では、左足でブレーキをかけ過ぎるというのは、どういう状態なのか。実は、ピッチャーにとっては致命的な“欠陥“になりかねないという。
 
「(通常は)投げる時に多少なりとも左の膝がグッと曲がっていって、最後に少しブレーキをかけながら腕を振る。ただ、(涌井の場合は)左膝が曲がらず、伸びたまま(リリースまで)いっていた。最初から体重が乗っていっていない。だから、ひと目で分かるんですよ。

 今年は随分、前でボールを離せるように戻ったなという感じです。ちょっとしたところですよ。でも、今までは(投球に)直結してしまう部分をやらかしてしまっていたんです。違うところだったら全然、構わないと思うんです。左足のブレーキをかけすぎるという程は影響が出てこないので」

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