栗山監督の“無視”は信頼の証し? 日ハム復帰の田中賢介はなぜ輝けるのか
打撃コーチが「聞くこともあるくらい」、栗山監督も「やってくれるのは分かっている」
今季は2番や3番に座る。チャンスメークもできれば、決めることもできる。林打撃コーチは「どのチームも選手は入れ替わる。(復帰した賢介にとって)対戦したことのない新しい選手も多いはず。でも、それを超える技術と経験がある。自分を一番、分かっている選手でもある。逆にボクがいろいろと聞くこともあるくらい」と評する。
そんな賢介を栗山監督は徹底的に“無視”している。いい意味で、だ。常々、口にするのが「賢介のことは見ていない。やってくれるのは分かっているから」。全幅の信頼を寄せているからこその言葉だ。
日本ハムで主力となった2006年、チームは日本一に輝いた。そこからリーグ優勝を4度、経験した。その間、3度、打率3割をマーク。ゴールデングラブ賞も5度、獲った。そして、2012年オフに渡米。移籍1年目にメジャーで15試合に出場した。
3年ぶりの古巣。まだ完全に日本の野球に再適合できているわけではない。“伸びしろ”をもつプロ16年目の33歳。もう、ひと花もふた花も咲かせてくれるだろう。
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J・T●文 Text by J・T