新人記録樹立のDeNAクローザー山崎康晃 魔球・ツーシームの秘密とは
なぜ攻略困難? 投球の幅がさらに広がる可能性も
実はいくつか山崎のツーシームには種類がある。一般的な変化(シュート気味)をするツーシームと、シンカーのように外に落ちる球。少しだけ人さし指と中指の幅をあけ、握りを深くする。そして腕の振りも変えて、縦に落ちるように変化をつけて投げるのが後者の球だ。研究を重ねて、独自のツーシームを見つけ出した。
さらに鋭い変化になり、なかなか打たれないのは、独特なインステップのフォームが影響している。ボールを投げる腕が打者からやや見えにくい上、リリースポイントが高い。角度がついた状態になることから、落差が生まれる。そしてシュートのような起動になり、シンカーのように沈んでいく。バッターからしてみると、やっかいな変化をする。
もっとも、この魔球ツーシームが効果を発揮できているのは、150キロのストレートを常時投げられていること。山崎にはストレートの力と速さがある。この快速球とツーシーム、精度の高いスライダーが合わされば、1イニングで攻略するのは難しい。
山崎は大学時代から予測不能の変化球、ナックルボールを持っており、キャンプでも披露していた。さらに投球の幅は広がっていくだろう。心配なのは投げすぎによる体のコンディションだけ。貴重な戦力であるルーキーを大事に使いながら、ペナントレースを戦っていくことも重要なポイントとなりそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count