三冠王の期待かかるDeNA筒香 過去の達成者と惜しくも逃した名手たち
過去にはあと一歩で逃した名打者も、筒香は果たして…
1985年、86年には阪神最強の外国人、ランディ・バース氏が獲得。日本一になった85年は打率3割5分、54本塁打、134打点。翌86年は打率3割8分9厘、47本塁打、109打点だった。85年は王貞治氏の持つシーズン55本塁打の更新も期待されるほど、すさまじい打撃を見せていた。
往年の名打者たちが達成した三冠王だが、あと一歩で届かなかった例もある。
1955年の西鉄・中西太氏は打率3割3分2厘、35本塁打で首位打者と本塁打王になったが、98打点は毎日の山内和弘氏にたった1打点及ばす、達成ならなかった。中西氏はそれ以外でも2冠を獲得しながら、あと一歩のところで三冠王を逃したシーズンがあった。
イチローや松井秀喜も、成し遂げられなかった選手の一人だ。
イチローはオリックス時代の1995年、3割4分2厘で2度目の首位打者、80打点で初の打点王になったが、25本塁打は本塁打王の小久保に3本足りず。松井秀喜氏も巨人時代に本塁打、打点の2冠を獲得しながら、3冠には届かなかった。メジャー移籍前年の2002年も50本塁打、107打点で2冠。しかし打率3割3分4厘は、首位打者となった福留(当時中日)の打率に3割4分3厘に及ばなかった。その他、ラミレスやバレンティン、阿部慎之助らがあと1歩のところで逃している。
達成困難なのが三冠王。1人で獲得できる栄誉ではない。チーム状況、順位でも、チーム戦略が変わってくる。
30本塁打、120打点ペースの筒香が4番に座るベイスターズは開幕から好調で、首位を走っている。1番の石川、3番の梶谷、5番のロペスの打順は固定され、打率は3割前後をキープするなど、開幕から好調だ。石川、梶谷が塁に出れば、筒香の打点は増える。前後に強打者がいることで、敬遠や意図的な四球も減る。筒香が勝負される可能性が高まれば、打率を落とす危険もあるが、本塁打を伸ばすことも可能である。好調のベイスターズ打線が、筒香の大記録を後押しすると言っても過言ではなさそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count