カンセコ&マグワイアを彷彿させる才能 カブスに若き本塁打コンビが誕生か
暗いニュースばかりだったカブスの中で、唯一の明るい話題だったリゾの本塁打
現在では、禁止薬物の規定や罰則が厳しくなったため、いわゆるホームラン打者の存在は減りつつある。だが、やはり見る者の目を引きつけ、最もわかりやすくアピールできるのはホームラン。だからこそ、マーリンズのジャンカルロ・スタントンのような怪力打者が何かと話題に上がるのだろう。
最近は地区最下位に低迷し、暗いニュースばかりだったカブスの中で、唯一の明るい話題と言えば、リゾの本塁打数だった。2012年にパドレスから移籍して以来、15本、23本、32本と、徐々にその数を増やしてきた。デビュー5年目を迎える今年は、5月13日現在7本を記録と順調に積み重ねている。
ちなみに、超高校級打者と言われたリゾを2007年ドラフトで6巡目に指名したのは当時セオ・エプスタインGMが率いたレッドソックスだった。2010年暮れにエイドリアン・ゴンザレス(現ドジャース)とのトレードでパドレスに移籍したが、2012年1月、カブスに移ったエプスタイン現球団社長はアンドリュー・キャッシュナーとのトレードでリゾを“取り戻した”。
2013年のドラフト1巡目でブライアントを指名した際、エプスタイン球団社長がカブス版“バッシュ・ブラザーズ”の結成を視野に入れていたかは定かではないが、25歳(リゾ)と23歳(ブライアント)の若きコンビは、何か大きなことをやってくれそうな可能性を十分に秘めている。今季は2人が何度アベック弾を見せてくれるのか、カブス・ファンの楽しみが増えた。
【了】
佐藤直子●文 text by Naoko Sato
佐藤直子 プロフィール
群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。