巨人、序盤戦の影のMVP 40歳の井端はなぜ活躍を続けられるのか

体を突き動かすベテランとしての「自覚」

 40歳になって、なぜこれだけのモチベーションとパフォーマンスを維持できるのか。一つの要因が、井端を取り巻く環境の変化だろう。

 中日での最後のシーズンとなった2013年を例に取れば、山本昌、山崎武司、谷繁元信、和田一浩、岩瀬仁紀と、自身よりも年上の選手は5人もいた。一方、翌年移籍した巨人では高橋由伸と並ぶチーム最年長。これまで生え抜きの中心選手としてプレーに集中できた環境から一転、チームを引っ張ると同時に、ポジションが保証されない厳しい環境が待っていた。

 だが、そうした状況が初心に返るキッカケにもなった。「試合に出られるなら、どこでもやるつもりでいる」と誓い、真新しいユニホームに袖を通した。いつしかシーズンに向けた調整の場になっていた春季キャンプやオープン戦は、出場機会を勝ち取るための熾烈な戦いの場になった。

「ジャイアンツでは年上はいない。ドラゴンズ以上にしっかりしないといけない」

 ベテランとしての責任感や自覚も、体を突き動かした。

 もちろん、自由契約からいち早く声をかけてくれた巨人への恩返しの思いは強い。新天地で円熟味を増した背番号2がいる限り、リーグ4連覇の火は消えない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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