巨人のGMはなぜ難しいのか GM交代の背景と今後に立ちはだかる課題とは
巨人・原沢GMが事実上の“解任”となった背景とは
「基本的に巨人軍が弱かったのはね、GMと監督が区別できなかったことだよ」
5月12日。東京ドームでの巨人対広島戦を観戦した巨人の渡辺恒雄球団最高顧問は、取り囲んだ報道陣を見回して、こう前日に発動した異例の人事の説明を行った。
1日前の5月11日、巨人は原沢敦球団代表、GM兼編成本部長を解き、後任に読売新聞東京本社の堤辰佳運動部長を就任させることを発表した。
この人事の一つのきっかけになったのが、4月末のホアン・フランシスコ内野手の獲得だったと言われている。開幕からの打撃不振、特に長打力不足のテコ入れ策として、原沢GMが緊急獲得に踏み切った助っ人だったが、実はソフトバンクや中日も過去にリストアップしながら「左投手を打てない」「三振が多く日本の野球に合わない」等の理由でリストから外した選手だった。入団会見で同GMは「3年間追いかけてきた選手」と決して付け焼き刃の補強ではないことを強調したが、これが波紋を呼ぶことになった。
来日したフランシスコはとてもアスリートとは思えない体型で、しかも実戦配備されると三振の山を築いて拙守を連発。たった5試合で異例のファーム再調整という事態となったのである。
「いったい何を調査していたのか」
この補強が直接的な引き金となって責任者の原沢GMが事実上の“解任”となったわけだが、もう一つの背景には昨オフからの立て続けの補強の失敗もあったようだ。