比較はナンセンス!? “神様”ルースにMLB通算安打で並んだイチローのスゴさ

ルースの時代と比べ、現代のベースボールではヒットを打つことが難しいとの声も

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アメリカ野球殿堂博物館【写真:田口有史】

「ベーブ・ルースについて考えると、彼は間違いなくホームラン打者であるということ。選手としてのタイプがあまりに違うということ。僕はヒットを打つのが好きですし、足を使って色々な形のヒットを打つ。彼は間違いなくホームランヒッターですよね。ですから、比べることはできませんよね。間違いなく今、同じ数字でたまたま並んでいますが、あまりにも選手としてタイプが違いすぎているので、比べることは難しいですよね」

 イチローが話すように、メジャー歴代3位の714本塁打を誇るルースと、同13位の単打2338本のイチローでは、比べること自体がナンセンスと言えるかもしれない。ルースの長打率6割9分、OPS(出塁率+長打率)1.164などは歴代1位と圧倒的な成績を誇るが、イチローの年平均197.4安打(今シーズンを現在のペースで終えた場合の15年通算)も現時点で歴代1位となっている。2004年に打ち立てた歴代最多のシーズン262安打は、今後2度と破られないとも言われるメジャー記録だ。

 生涯打率はイチローの3割1分7厘に対し、ルースが3割4分2厘と上回る。しかし、ボールの違い、球場の広さ、平均球速のアップや変化球の豊富さに見る投手力の向上など、ルースの時代と比べて現在のベースボールの方がヒットを打ちにくいとする分析もある。イチローはそんな環境で、驚異的なペースでヒットを積み重ねてきた。さらに、日米通算で見れば、イチローの成績は現代野球で残したものとは思えない、偉大な数字ばかりが並ぶ。

 安打製造機、スピードスターなど様々な異名を持つイチローと、「神様」と呼ばれる伝説のスラッガー。どちらもメジャーの歴史にその名を残す存在であることは間違いないだろう。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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