今季は大きな変化も? インパクト残す“おかわり”中村の言葉
独特な雰囲気を発する中村
西武中村剛也の言葉が味わい深い。代名詞の“おかわり”。若手のころに「好きな言葉は?」と聞かれて、答えたひと言が、全国に定着する愛称となったのは有名な話だ。
「ていうか、テラスだと恥ずかしいじゃないですか」
4月25日のソフトバンク戦。同カード3連戦で初めて、今季から左中間、右中間が約5メートル狭くなったヤフオクドームで戦っていた。屈指の長距離砲も本塁打ゾーンが拡大されたテラス席の恩恵を受けるのは間違いない。だが練習段階から「あまり関係ないんじゃないですか」と興味を示さなかった。横で中村への取材を聞いていた森本も「さんちゃん(中村)にその質問は失礼でしょう? 僕らみたいな打者に聞いて下さいよ」と援護射撃した。
試合で実証した。6回にテラス席を越え、左中間スタンド前列に6号2ランを運んだ。そして試合後、森本が「テラス席もあるから打った瞬間、入ると思った」と水を向けると「ていうか、テラスだと恥ずかしいじゃないですか」と言ったのだ。
普通の打者なら、不遜な言葉だと思われるかもしれない。だが中村には、そう捉えられない独特な雰囲気がある。愛嬌ある体型のおかげもある。だが何より、中村のホームランを生み出す技術、力は誰もが認めるものがある。