オリックスに激震 「森脇監督、休養」は浮上につながるか
今季の低迷は森脇監督の「力不足」だけが原因か?
オフに超大型補強を敢行したオリックス。中島や小谷野、ブランコ、バリントンなど投打の中心となる選手を次々に獲得。選手層の厚みを一気に増し、一躍、優勝候補と期待されて、シーズンへと突入した。
だが、その期待とは裏腹に、チーム状態は底を打ったままだった。開幕4連敗を喫すると、10試合で2勝8敗と完全にスタートダッシュに失敗。出足でつまずいたチームは悪循環から一向に抜け出せず、補強で獲得した中島、ブランコをはじめ、守護神の平野佳、不動のセットアッパー・佐藤達、比嘉など、主力に故障や不調が相次いだ。
5月31日の広島戦(京セラD)を終えた段階で、19勝34敗1分けとなり、借金は今季最大の15にまでふくらんだ。首位の日本ハムとは12ゲーム差まで広がり、89試合を残して自力Vが消滅した。
森脇監督は会見で「力不足」という言葉を何度も繰り返した。指揮官の力不足。ただ、低迷の原因は、果たしてそれだけだろうか。
期待の新戦力は故障や不調に苦しみ、投手層の充実も十分ではなかった。昨季は、比嘉、佐藤達、平野佳の勝利の方程式が強力だった。だが、比嘉は62試合、佐藤達は67試合、平野佳は62試合に登板。シーズンの半分近い試合数を投げたことで、今季、その蓄積疲労の反動が来る可能性も十分にあり得た。結果、今季の19回という逆転負けの多さにつながっている。
指揮官が理想とする野球は、投手力と守備力、そして攻撃面では機動力を生かした戦い。今年はそれがついに実現することがなかった。その裏には多くの要因があるだろう。
瀬戸山本部長は「故障者が多いのは我々の責任が大きい」と話した。コーチの配置転換などの動きもあったが、「残念ながらうまくいっていない」ともコメントしている。はまった泥沼は深い。福良体制初戦となった2日の巨人戦(東京D)にも敗れ、借金16。オリックスに、浮上の光は差し込むのだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count