デビューまでの期間が早まるMLB 今年のドラフト注目選手は誰?

野手よりも投手が「即戦力」

 傾向として、野手よりも投手の方が「即戦力」になるようだ。最近の傾向として、時速95マイル以上の剛腕タイプの投手は珍しくないため、ある程度の制球力を備えていれば、ひとまず中継ぎとしてデビューさせやすい。同時に、各ポジションにレギュラーが1人の野手に対し、投手は先発は5人、中継ぎは7~8人と枠が広めなことも影響しているかもしれない。

 と言いつつも、今年のドラフトで上位に食い込んできそうなのがショートを守る選手たちだ。最も評価が高いのは、フロリダ州レイクメアリー高校のブレンダン・ロジャース。最大の売りは、打撃で見せるパワーだという。

 高校生ながら180センチ以上の身長に対して体重は88キロと立派な体格。スイングスピードが速く、広角に打ち分けられるという逸材は、守備面でもショートとして申し分のない働きはできると言われている。

 ダンスビー・スワンソン(バンダービルト大)、アレックス・バーグマン(ルイジアナ州立大)の両者も揃ってショートを守る。ロジャース同様パワータイプというスワンソンに対して、バーグマンは打率と出塁率が特長の選手。この3人の行方に注目が集まる。

 今年ドラフトされた選手の中で、最速デビューを果たすのは誰か。1巡目に指名された選手の名前だけでも覚えておくと面白いかもしれない。

【別表】上位指名順(→後は現所属)

<2010年>
ブライス・ハーパー(ナショナルズ)
マニー・マチャド(オリオールズ)
マット・ハーベイ(メッツ)
デリーノ・デシールズ(アストロズ→レンジャーズ)
ヤズマニ・グランダル(レッズ→ドジャース)
クリス・セール(ホワイトソックス)
マイク・フォルタネビッチ(アストロズ→ブレーブス)
クリスチャン・イエリッチ(マーリンズ)

<2011年>
ギャレット・コール(パイレーツ)
トレバー・バウアー(ダイヤモンドバックス→インディアンス)
ジョージ・スプリンガー(アストロズ)
ホセ・フェルナンデス(マーリンズ)
ソニー・グレイ(アスレチックス)
コルテン・ウォン(カージナルス)
ジョー・パニック(ジャイアンツ)

<2012年>
マイク・ズニーノ(マリナーズ)
ケビン・グズマン(オリオールズ)
アディソン・ラッセル(アスレチックス→カブス)
マイケル・ワカ(カージナルス)
マーカス・ストローマン(ブルージェイズ)

<2013年>
クリス・ブライアント(カブス)
チチ・ゴンザレス(レンジャーズ)

<2014年>
カルロス・ロドン(ホワイトソックス)
ブランドン・フィニガン(ロイヤルズ)

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

佐藤直子 プロフィール

群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。

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