辛辣NYメディアを1試合で黙らせた田中将大 不安論から一転、絶賛の嵐に

「去年と同じ投手を突如として手に入れた」

 だが、この日は最速154キロのファストボール、切れ味抜群のスプリット、スライダーで圧巻のピッチングを披露。すると、同紙は田中をしっかりと絶賛した。

 まずは、「マサヒロ・タナカはヤンキースへの復帰戦で珠玉の投球」という見出しで試合を速報。さらに、「タナカを昨年のエースに似せることとなった“大きな違い”とは」と第2弾の特集を組んでいる。

「制球力だけじゃない。球速アップもだ。去年、タナカが右肘靭帯に小さな傷を負うまで保有していたのと同じ投手を、ヤンキースは突如として手に入れた」

 特集ではそうレポートし、1試合の好投でエースの完全復活を報じている。

 一方、地元紙「ニューズデイ」も登板前日に「ヤンキースは田中の復帰戦で成功を祈り続けることになる」との見出しで特集。記事では「マサヒロ・タナカには分からない。ジョー・ジラルディでも他の誰であっても、この件に関しては見当がつかない」とし、ヤンキース首脳陣が田中の負傷の再燃に関して不安を抱える様子を伝えていた。

 だが、勝利投手に輝いた後は、「マサヒロ・タナカはずば抜けたマウンド復帰を果たし、ヤンキースはマリナーズをスイープ(シリーズ全勝)する」との見出しで、気持ちいいほど褒め称えている。

 肘の靭帯の傷は一般的に治癒しないとも言われる。右肘を1度痛めた田中には再発や故障の不安がつきまとう。辛辣なニューヨークメディアは、再び不調に陥れば不安の声は上がるかもしれないが、田中は圧巻のピッチングで悲観論をねじ伏せていくしかない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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