成長の裏には“日本的指導”も ブラジル出身メジャーリーガーが抱く夢
ゴームズ「代表のユニホームに袖を通した時、サッカー選手と同じような気持ちに」
「ブラジルではビッグニュースだった。日系人コミュニティーのチームでは練習に取り組む姿勢を学んだ。その教えは今も役立っている。日本人のコーチはとても厳しいからね」。練習熱心さは日本的指導によって培われたようだ。
2012年にはワールド・ベースボール・クラシックの予選会にブラジル代表として出場。ゴームズは「代表のユニホームに袖を通した時、サッカー選手と同じような気持ちになった。とてもスペシャルな経験だった」と振り返る。
将来の夢は大リーグで世界一になること。「日本や他国のようにメジャーリーグでプレーするブラジル出身の選手が増えるように役に立ちたい。プレーオフに出てワールドシリーズのチャンピオンリングを手にすることがでることで、もっと多くのブラジル人に関心を持ってもらえればと思う」と母国の野球界を背負う気持ちは強い。
今季開幕時にはゴームズに加え、ロイヤルズのオーランド外野手がメジャーのロースターに加わり、ブラジル人メジャーリーガーは2人に増えた。近年、マイナーでプレーする選手も増えているという。身体能力の高い子供たちがセレソンを目指すのが主流であることには今後も変わらないだろう。だが、ゴームズの活躍次第で将来、ワールドシリーズを目指して白球を手にする子供たちが増えるかもしれない。
【了】
伊武弘多●文 text by kouta Ibu