どん底から這い上がるソフトバンク細山田 「野球が出来ることが幸せ」
勝負を決する一打を放った細山田
まさかの伏兵が試合を決めた。一度は地獄を見た男が、勝負を決する一打を放ったのだから、驚きだった。
ソフトバンクの捕手・細山田武史。育成上がりの29歳が、大仕事をやってのけた。
5日の巨人戦。試合前に行われた先発バッテリーの紹介で、敵地・東京ドームの左翼席に詰めかけたソフトバンクファンがどよめいた。先発投手は摂津正。そして、その女房役として名前がコールされたのは、自身4年ぶりの先発となる細山田の名前だった。
そして、同点で迎えた4回、その瞬間は訪れた。
1死二、三塁で打席に立った背番号00。
「チャンスだったので積極的にいこうと思っていました」
内海哲也が投じた初球、甘くなった真っすぐに強振した。打球はかなりの前進守備を敷いていた左翼・亀井善行の頭上を越え、左翼フェンスまで点々と転がっていった。勝ち越しの2点タイムリーツーベース。結果的に、これが決勝打となった。