快挙に立ち会うのは3度目 今季初ノーノーの裏に名捕手ポージーの存在

同僚青木も驚く勤勉さ、新人右腕ヘストンがノーヒットノーラン達成

 6月9日、今季第1号となるノーヒットノーランが生まれた。

 快挙を成し遂げたのは、ジャイアンツの新人右腕クリス・ヘストン。速球は時速90マイル(約145キロ)前後と決して剛腕タイプではないが、スライダーとカーブを巧みに織り交ぜながら、抜群の制球力が魅力の投手だ。

 開幕メジャーこそ叶わなかったが、直後に先発ローテの一角を担うはずだったピービーが故障者リスト入りしたため、マイナーの開幕を迎えるために向かった3A本拠地サクラメントに到着するやいなや、そのままメジャーが開幕シリーズを戦っていたアリゾナに方向転換。以来、時折大量失点することもあるが、先発ローテを守り抜いている。

 新人とはいうものの、ここ最近の風潮から見れば、やや遅咲きの27歳。2009年にドラフトされてから、マイナーで伸び悩んだ時期もあり、2013年には一度リリースされ、マイナー契約を結び直した経緯もある。

 そんな苦労も経ての今、そしてノーヒットノーランの偉業達成だけに、チームの誰もが我がことのように喜んだ。

 同僚の青木宣親も「移動の飛行機の中でも、よく打者の傾向が書かれたチャートを整理している。すごく勉強してるよね」と驚くほど真面目にコツコツと積み上げる性格。メッツ戦で最後の打者テハダを外角ツーシームで見逃し三振に仕留めた後、「何をすればいいのか、どこに行けばいいのか分からなくなっちゃったんだ(笑)」と、捕手バスター・ポージーに祝福のハグをされるまで、笑顔ながらも所在なさげに過ごす初々しさも見せた。

 ノーヒットノーランとなると、当然のように注目を浴びるのは先発投手だ。だが、実はこの日の快挙は、捕手ポージーにとって3度目の出来事であったことを知っておいても損はないだろう。

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