日本ハムの強さの秘密 若手を束ねる主砲・中田の変化
昨年から4選手がいなくなった日本ハム、「日本ハムが今年も強いのは、中田が成長したおかげ」
ただ、若手選手がこれだけ活躍しているのも、チームとして機能しているのも、主砲・中田翔の存在があればこそだと野口氏は見ている。稲葉篤紀、金子誠、小谷野栄一、大引啓次と昨年から4選手がいなくなり、より重要な役割を担うようになった中田には、明らかな変化が見られるというのだ。
ここまでリーグトップの20本塁打、2位の48打点。ホームランを量産しているものの、明らかにチームバッティングが多くなっている。本当に1点が欲しい場面での打点も増えた。
「主力が野手で4人抜けたので、それをどうカバーしていくかといったら、力よりも総合力ということなんでしょうね。それが彼には分かっているんでしょう。結果的にホームランが増えているのも、フォア・ザ・チームが結果を出させているというところでしょうね」
DeNAの4番として、凄みのある打撃で序盤戦にチームを牽引した筒香の存在も、少なからず中田を刺激したと野口氏は指摘する。
「少し年下で、右と左の違いはあっても比較される筒香があれだけブレークしてきた。『負けるわけにはいかない』というところもあったと思います。『ジャパンの4番はオレだよ』と。言葉ではなく行動で、結果で示してますよね」
チームには、中田よりも年下の選手が増えた。間違いなく、今年は中田が引っ張っていく立場になった。ナインの口からは「中田さんが……」という言葉がよく聞こえてくる。
「『中田さん』になったんですよ、彼は。ただの『お山の大将』じゃなくて、本当にそう(リーダーに)なってきましたよ。例えば、中田は今ファーストを守ってますから、試合中にマウンドに行って(ピッチャーに)言うことが、意外と的を射ているかもしれないですね。彼もピッチャー経験者だから、気持ちは分かるでしょうし。日本ハムが今年も強いのは、中田が成長したおかげじゃないですか」