【小島啓民の目】良い選手の条件は? 連敗中のDeNAに見るコンディション維持の大切さ

コンディション維持が難しいプロの世界

 前回のコラムでソフトバンクホークスの強さの秘訣は「育成」にあるという紹介をしましたが、今年、ペナントレース前半に快進撃を見せた横浜DeNAベイスターズも高田繁ゼネラルマネージャーを中心とした若手育成のチーム強化が上手くいっていると感じています。

 観客動員数も上昇傾向。球団のマーケティングの強化がその成果を生んでいるということですが、やはりスポーツは勝たなくては、ファンの定着は難しいものです。

 そういった意味では、最近のベイスターズは交流戦の途中から始まった12連敗により、相当苦しんでいます。開幕から連勝街道を走っていましたが、勝ちにこだわった投手起用のツケが回ってきているような感じを受けています。

 守護神のルーキー・山崎康晃投手も少し投球に疲れが出始めてきているように見えます。大学時代はリーグ戦のある一定期間にピークを合わせるということで良かったのでしょうが、プロの長丁場の年間リーグ戦は正直どのようにコンディションニングを維持していけばいいのか、ルーキーですから分からないでしょう。

 新人選手が苦境に立たされた時、「また明日に向かってしっかり準備をしていきます」とよく口にしていますが、何年もプロで生活している選手の言葉と違って信憑性を欠きます。

 私もプロ野球の経験はありませんが、侍ジャパンの活動などで多くのプロ選手とかかわってきた経験から少なくとも新人選手や1軍に定着し始めた若手選手は、毎日が必死の連続で計画的なコンディショニングなど考える余裕などないと感じます。

 チームから信頼を得ている中心選手以外は、「腰が痛い」とか「昨日の死球が痛い」などの理由で試合を欠場するなど許されることではない。そのようなことをしていたら、すぐにチャンスが消えてしまいます。プロ選手との会話の中でも、「五体満足で毎日プレーをしている選手はいませんよ」、「プロ選手のほとんどが満身創痍ですよ」という話を聞きます。

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