【小島啓民の目】都市対抗野球が7月開幕 なぜ野茂ら社会人野球出身の好投手が生まれたか

野茂投手のフォーク、潮崎投手のシンカーは、金属バットの脅威を超えるボール?

 金属バット時代は、横の変化の投球パターンよりも縦の変化の投球が主流でした。今、全盛のカットボール系は一番の餌食となっていたでしょう。この時代は、アンダーハンドの投手は、非常に少なかったというのも事実です。

 そんな環境であったため、投手は金属バットの脅威を越える凄い球が必要となり、また細心の注意を払いながら投球をすることに迫られたため、非常に高いレベルの投手が育っていたように感じます。

 野茂投手のフォークボールや潮崎投手の独特のシンカーなどは、まさに金属バットにどう立ち向かうかという工夫から生まれてきたものでしょう。

 木製バットに変わったことで、正直に言うと、野茂選手、与田選手、潮崎選手のような凄い投手が少なくなったなという印象を持っています。現に、金属バット時代に社会人野球からドラフト上位でプロ野球に進んだ投手は、1年目から好成績を残していました。最近では、逆に投球術で翻弄するクレーバーな投手が目立つようになりました。それだけアマチュアの打者のレベルが上がっていないということでしょうか。

 昨年のドラフトにて、私が率いた仁川(韓国)アジア競技大会に参加したアマチュア日本代表のメンバーから、倉本寿彦(日本新薬-DeNA)、石川駿(JX-ENEOS-中日)、遠藤一星(東京ガス-中日)、西野真弘(JR東日本-オリックス)と久々に多くの社会人選手がプロ野球に進みました。それでも、野手がドラフトされる確率は昔と比較しても少なくなっています。

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