【小島啓民の目】大学ジャパン7連続K 創価大・田中正義に見る「真っ向勝負」の大切さ
田中が見せた圧巻の投球、その根底にあるもの
韓国・光州市で開催される第28回ユニバーシアード競技大会に出場する侍ジャパン大学代表チームとNPB選抜チームとの歴史的な試合が6月29日に神宮球場で行なわれました。結果は3対2でNPB選抜が勝利し、面目を保ったという試合でした。「勝って当たり前、負けたら……」と考えていたNPB選抜チームのスタッフが一番ホッとしていることでしょう。
NPB選抜チームには、昨年のU21日本代表チームに参加した平良(巨人)、武田(オリックス)、アマチュア時代にアマ代表の4番を努めた山川(西武)、さらには昨年のドラフトの目玉であった岡本(巨人)などこれからのプロ野球界を背負っていかねばならない選手が多数出場していました。
大学ジャパンも早稲田大学の茂木を筆頭にそうそうたる顔ぶれで、ほとんどの選手がドラフトされる可能性がある注目選手ばかりです。そういった意味では、将来の野球界を背負う者同士の戦いだったと言えるでしょう。
圧巻だったのは、創価大学の田中正義投手の投球。今すぐにでもプロのローテーションを任せても大丈夫かと思わせるような投球内容でした。
ストレートは投げてからミットに到着するまでに、表現が適切ではないかもしれませんが、ボールがミットに突き刺さるような球筋ですし、さらに投手の生命線であるアウトコースのコントロールが良い。落ちるボールもしっかり腕が振り抜けており、打者にとってはかなり厄介な球です。プロの打者でもバットで捉えることが難しいくらい、現段階でもアマチュアの域を超えています。