完封目前の黒田に強攻策を仕掛けた原監督、その狙いとは

立岡にかけられる期待

 1点を追う9回無死一塁。昨晩と同じように100%バントの状況だったが、原監督は強攻した。前の打席でプロ初打席にも関わらず、積極的にスイングし、ファウルで粘る(結果はセカンドゴロ)姿勢を評価し「思い切っていけ」と送り出していた。

 その2打席目でチャンスを広げる二塁内野安打を放ち、長野のサヨナラ二塁打で一気に2得点。サヨナラのホームを立岡が踏み、勝利した。立岡は初の本拠地のヒーローインタビューに立ち、歓声を浴びた。

 この時の残像があったのだろう。昨晩も同じようにタイミングは合っていた。結果、立岡は三振に倒れたが、リスクを背負う中で選手を信じ、攻撃的にいく原監督の思いが垣間見えた采配だった。

 試合は坂本がセンター前でつなぎ、阿部が同点のライト前タイムリー。最後は亀井のレフトへのサヨナラ犠飛。一塁走者、鈴木がかけたプレッシャーも大きかった。

 立岡は後半戦にも力が必要となってくる選手。強攻策は直接的には結果につながらなかったが、25歳はこの試合でさらに大きな経験を積んだ。そして、巨人は結果的にこの9回の攻撃で黒田を追い詰め、打ち破った。チームは決して上向きとは言えない状況ではあるが、現状を打破するような勝利であった。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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