なぜロ軍選手が軒並み上位に? MLBで持ち上がる球宴ファン投票の問題点
なぜファン投票結果が特定のチームに偏ると問題なのか
2003年以来、メジャーではオールスターで勝利したリーグが、ワールドシリーズでの本拠地開催権を得られるシステムになっている。本拠地開催権を持つチームが優勝したのは12回中7回。短期決戦は、想像以上に「流れ」や「勢い」が勝負を左右するものであることを考えると、やはり慣れた本拠地でファンの声援を受けながらシリーズをスタートさせた方が得策だ。だからこそ、選手や監督・コーチをはじめとする現場の人間にとってみれば、オールスターは人気者が集まる単なる花試合ではなく、真剣勝負の場でもある。
では、なぜファン投票の結果が特定のチームに偏ると問題が生じるのだろう。それは、ファン投票1位の選手が、自動的に先発メンバーとなるからだ。
ア・リーグの「顔」が揃うべきオールスター先発野手がすべてロイヤルズの選手だったらどうなるだろう。打率1位のカブレラは? 本塁打トップのプホルスは? 盗塁王のアルテューベは? ファンのサポートを受けることは喜ばしいことだが、第3者の目から見て、選ばれるべき選手がオールスター入りしない状況には、やはり問題があると言えるだろう。
もちろん、現行の選出方法でも「選手間投票」と「監督推薦」で偏りを正すことはできる。仲間から見て誰がオールスターにふさわしいのかを選ぶ「選手間投票」では、ファン投票のように偏りが生じることは少ないし、「監督推薦」では全30球団必ず1人は選出されるように調整されるので、各チームの顔と称される選手や最も成績のいい選手が選ばれる。だが、やはり限界はある。