“超”ユーティリティープレーヤーへ 日本ハム杉谷が諦めなかったモノ
内外野守れるスイッチヒッター 存在感高まる24歳
チーム状態は刻一刻と変化する。シーズンを通して好調を維持できる選手なんて皆無に等しい。けがなどアクシデントもある。だからこそ、時に主力の穴をも埋められるユーティリティープレーヤーは重宝される。
日本ハムの杉谷拳士内野手。その存在感が日増しに高まっている。高卒7年目の24歳。一言で表現するならば、内外野いずれも守れるスイッチヒッター。球界広しと言えどもこの2条件を備える選手は稀だろう。自陣の状況や相手先発のタイプなどを考慮した上で、起用に“障害”となる要素は限りなく少ない。
そして、とにかく元気だ。あえて、そう振る舞っているのかもしれないが、ムードメーカーとしてはすでに超一流だ。だが、今季は走攻守、いずれにおいてもプレーの精度が格段に上がった。結果が雄弁に物語る。
7月5日現在、76試合中50試合に出場し、打率は・337。出塁率は・414を叩き出す。打点も10を数える。殊勲打も目立ち、5月23日のソフトバンク戦では先制打。7月2日のオリックス戦では勝ち越し打。同4日の楽天戦では同点打を放った。そのほかにも「次の1点」や殊勲打につながる出塁など、ここぞの場面で勝負強さを見せつけている。
常に危機感を持つ。常に出番に飢えている。それが自身を支えてきた。「活躍できた時は確かにうれしいです。でも喜ぶのはその時だけ。いつ出番がなくなるか分からない」。1人になり、コメントを求められると、真剣に丁寧に礼儀正しく思いを口にする。