【小島啓民の目】試合環境はどの程度選手のプレーに影響? 勝つために真っ先にすべきこと

松坂も適応に苦しんだメジャーのマウンド

 内転筋を他の投手以上に使うシュートピッチャーや高速スライダーを投げる投手はマウンドが柔らかいと上手く踏ん張れないため、曲がりが変わってしまうなどということも聞いたことがあります。現ソフトバンクの松坂大輔が、レッドソックス移籍当初、固いメジャーのマウンドに当初苦しんでフォームを崩してしまったのは、皆さんご存知の通りです。

 ステップした左足を掘れている着地部分に踏み出し、つま先からズレて行きながらボールをリリースする投法が元々の特徴としていた松坂投手でしたが、メジャーのマウンドが粘土質でしかも硬く、踏み出した足がずれないため、ボールをリリースするタイミングを最後まで掴めなかったような感じを受けました。

 これだけ環境によって、合う選手と合わない選手が出てくるということがお分かりいただけるでしょう。

 一方、アマチュア選手においては、フランチャイズの球場を持っているわけではありませんし、また試合をする会場は、常に使用している球場ということではありません。高校野球の予選会場がどの球場にあたるかで、戦術も大きく変わりますし、更に順応するための技術も変わってきます。

 アマチュアレベルでも大学や社会人選手であればプロ野球レベルの対応を求めれられますが、流石に高校レベル以下では、グランドによって技術を変えるなどの芸当をできる選手はそう多くはないはずです。

 ただ、少なくとも、風向きはどうなのか、グラウンドの硬さはどうか、ファールグランドの広さはどうか、マウンドの高さはどうかなどのグランド環境を事前に把握する努力は必要です。

 特に初めて試合を行なう球場では、グランドチェックは必ず行なうべきですね。

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