世界一の守護神復活!? 快投続く上原浩治に絶賛「2013年を見ているよう」

圧巻投球で21セーブ目、「ウエハラは魔法を失った? とんでもない!」

 レッドソックスの上原浩治投手が8日(日本時間9日)のマーリンズ戦で3点リードの9回に登板した。イチロー外野手を含む打者3人で片付け、3試合連続セーブを記録。リーグ4位となる今季21セーブ目を挙げると、地元メディアも「ウエハラは魔法を失った? とんでもない!」と賛辞を贈った。

 フェンウェイパークのブルペンから背番号19が颯爽と登場すると、球団公式ツイッターも「コウジ・ウエハラ登場。レッドソックスは6-3で9回に突入」と盛り上げた。

 先頭打者のバルデスピンを6球目の79マイル(約127キロ)のスプリットで二ゴロに打ち取り、イチローも2球目の87マイル(約140キロ)の速球でセンターフライ。直後、試合を中継した地元テレビ局「ニューイングランド・スポーツ・ネットワーク(NESN)」の実況は唸るように「我々は2013年のコウジを見ているようです。いとも簡単に片付けているように見えます」と感嘆した。

 この日の解説を務めた元レッドソックス二塁手で、1978年にオールスターにも選出されたジェリー・レミー氏も「シーズンで苦しいピッチングが続いた時に、人々は『彼は終わったのでは? コウジは魔法を失ったのでは?』と話していたが、とんでもない。トップクラスのピッチングに戻っています」と興奮気味に語った。

 2013年に圧巻のピッチングを見せ、ワールドシリーズ制覇の立役者となった上原は、昨季終盤に不調に陥り、一時はクローザーの役を解かれた。今季も、自ら苦手と認めるデーゲームの試合で失点を喫した時には、不惑を迎えた守護神に対する不安の声が渦巻いた。

「9試合連続無失点で、(その間)打者はウエハラ相手に29打数1安打」

 だが、NESNは、このマーリンズ2連戦の前までに、上原がセーブのつく状況で投げた試合の防御率は1.35だったと紹介。今季20試合以上投げている投手の中ではメジャー通算7位という成績だったという。今季トータルでの防御率は2.53だが、要所では圧倒的な集中力を示していることを証明するデータだと言える。

 上原は最後の打者となった打率3割3分3厘のオールスター選手、ゴードンを高めの速球で空振り三振に切って取り、ゲームセットとなった。ESPNは試合の速報で「コウジ・ウエハラは3試合連続セーブを挙げる。9試合連続無失点で、打者はウエハラ相手に29打数1安打」と驚異的なデータを紹介し、讃えている。

 ワールドシリーズを制覇した2013年、上原はNFLニューイングランド・ペイトリオッツのスーパースター、トム・ブレイディに「コウジ・ウエハラを英語にすると、ゲーム終了を意味する」とツイッターで賞賛されるほどの圧倒的な支配力を示した。40歳となったが、その時と変わらぬ力を見せつけている。

 レッドソックスはア・リーグ東地区最下位だが、4連勝で借金を4まで着実に減らしてきた。10日(日本時間11日)から首位ヤンキースとの3連戦を迎える名門で無敵のオーラを漂わせる上原が、逆襲劇の主役となりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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