いかにして観客を守るか MLBで叫ばれる試合会場の安全対策

ファンどう守る? 毎年平均約1750人がファウルボールで負傷、先月に折れたバットが観客の頭を直撃

 今年に入ってメジャーで声高に議論されているのが、客席で応援するファンの安全性だ。特に、いかに内野席に座るファンをファウルボールや折れたバットから守るか、という点は大きな課題となっている。

 もちろん、この議論は今になって始まった話ではない。だが、先月6月5日のブルージェイズ対レッドソックス戦で、折れたバットが客席に飛び込み、女性ファンの頭を直撃する事故が起きて以来、早急な対策を求める声が上がっている。

 この事故で被害に遭った女性は、頭部からの大量出血のため担架で球場外に運び出され、一時は生命を左右しかねない状態とも言われたが、状態は快方へと向かい、数日後には入院先の病院を離れてリハビリセンターに移ったという。事故が起きた時の映像は今でもMLB公式サイトから確認できるが、衝撃はかなりの大きさで、早急な対策を求める声が大きくなったことも頷ける。

 昨年9月にブルームバーグ電子版に掲載された記事によると、毎年平均約1750人のファンが客席に飛び込んできたファウルボールで負傷しているという。1シリーズ(3試合)で平均2人がファウルボールで怪我をしている計算になるが、予想以上に多い数字だ。今月6日にも、ブレーブス対ブルワーズ戦で、ダグアウト近くに座っていた女性ファンの顔面にファウルボールが直撃し、病院に運ばれる事故があった。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY