MLBロードショー開幕 田口氏が語るMLBの魅力、イチローら日本人選手の今
過去最多の7都市で開催、元メジャーリーガーも参加、田口氏「MLBをもっと近くに」
2015年の「MLBロードショー・イン・ジャパン」が開幕し、今月の4日と5日にアーバンドッグららぽーと豊洲で開催された。
「MLBロードショー」は、メジャーリーグ機構(MLB)がアジア、南米、ヨーロッパなど世界中で展開しているベースボール・テーマパーク。日本では2012年に初めて開催され、2014年は北海道、東京、岐阜、沖縄にキャラバンした。今年は今回も含めて過去最多の7都市で開催される予定で、日程は別表の通りとなっている。
同イベントには、メジャーリーガーのサイン入りユニホームやボール、現役日本人プレーヤーのバットやグラブなどが展示された「MLBミュージアム」、選手の実寸大パネルと記念撮影ができる「MLBオールスター選手コーナー」、さらに「ストラックアウトケージ」、「スピードガンチャレンジ」といった参加型アトラクションもある。
また、元メジャーリーガーと対決できる「ファンコンテスト」や「トークショー」もあり、東京での2日間ではカージナルス、フィリーズで世界一に輝いた田口壮氏がゲストとして登場。「ファンコンテスト」で参加した子どもたちに珍しく勝利する場面もあった。同氏の熱血指導で参加者の腕は瞬く間に上達。あいにくの雨となったが、イベントでは子どもたちの笑顔が絶えなかった。
日本でもMLBを身近に感じてもらうため、力を注いでいる田口氏は、どんな思いでこのイベントに参加しているのか。そして、元チームメートのイチローや、メジャーとマイナーの行き来を繰り返す川崎ら、日本人メジャーリーガーの現状について、どう感じているのか。その胸中を語ってもらった。
――MLB自体は、日本人選手以外のことはまだまだ知られていない部分が多い。このイベントで、MLBに触れることが出来るという大切さを、田口さんはどう感じていますか?
「基本的には、今は日本人ががんばってくれていて、MLB自体の認知度はあると思います。マッシーさん(村上雅則氏)が最初にいき、その後野茂さんから始まって、ずっと日本人選手の歴史が続いていますので。
ただ、そういう中で、日本の皆さんにも日本人以外の選手のことも知ってもらいたいんです。会場にユニホームを飾っていたりすると、こんなに体が大きいんだとか、そういうことも感じると思いますし、サインボールを見たいというファンもいるでしょう。そういうところはちょっとずつ広げていかないといけない部分かなと思っているので、いいイベントだと感じていますよ」
―――もっとMLBを近くに感じてもらいたいという思いがあるということでしょうか?
「はい、近くに感じてもらいたいです。この先、日本人がどのくらいメジャーに行くかという問題も出てくるでしょうし、最近、停滞感のようなものが出てきているというのもあります。このようなイベントをすることによって、継続的に『MLBはこういうものなんだ』というメッセージを発信していくことが大事なんじゃないかと思います」
――トークショーでは、自身のマイナーでの経験などについてお話をされていました。MLBの舞台に立つのは、本当に大変なことだと思います。MLBでプレーすることの大切さを伝えたい、というお気持ちもありますか?
「確かにそういう部分を伝えたいというのもありますが、もっともっとお客さんの知りたいことをしゃべるスタイルはあってもいいのかなと思います。質問コーナーはもっと長くてもいいのかなとか。
(トークショーの相手の)アキ(猪瀬)さんとやるのはすごく楽しいです。アキさんもすごくメジャーのことを知っていらっしゃるので、アキさんが伝えていける部分もあるだろうし、僕が僕なりに伝えていける部分もあります。もうちょっとお客さんからの質問が増えて、より身近に感じてもらえたらいいかな思います。その辺が改善点かと思います」
――子どもと対決するイベントでは、田口さん自身も触れ合いを楽しまれていた。
「僕は子供が大好きなので。いつもあんなに(的に)当たんないんですけど(笑)。いつもは本当に1回しか当たらないんですよ。今日はなぜか4回も当たって、結果的に勝ってしまいましたけど、基本的には子供たちに勝ってもらって、楽しんでもらうのが一番だと思っています。ちょっとした達成感があるだけでも全然違うと思いますし、子どもたちでも楽しめるイベントを、というのが僕の思いですので」