OP戦は5戦4敗 前評判高くなかった巨人マイコラスはなぜ這い上がれたのか
開幕前に不調だった助っ人右腕はいかにして適応したのか
巨人は前半戦、借金1。DeNAに続く2位でペナントレースを折り返した。新人・高木勇人が彗星のごとく現れたが、ペースダウン。阿部のコンバート、村田の不振、選手の相次ぐ下半身のけが……。なかなか、思うような戦いができぬ前半戦だった。
投手に目を向けてみると、今年レンジャーズから加入したアーロン・ポレダとマイルズ・マイコラスの2人がいなければ、今の位置にはいないだろう。
特にマイコラスは6月のオリックス戦やヤクルト戦で完封勝利。月間MVPも受賞した。記憶からはもう消し去られているかもしれないが、彼はオープン戦で5試合で0勝4敗。防御率は4.24と散々だった。オープン戦とはいえ、ここまではっきり負けがつくのは珍しい。
とにかくボールが高く、ひとりよがりのピッチングをしていた。敵地でのオープン戦西武戦では走者を出して、本塁打を浴びる繰り返し。中村や浅村といったパワーヒッターにいとも簡単に打ち返された。
「自分のピッチングには自信を持っている」と不安視することはなかった。その自信が返って、周りを不安にさせた。サイン通りにボールを投げない。キャッチャーのサインが合わなければ、ひたすら首を振り、時には表情に嫌悪感を出した。メジャーリーガーとしてのプライドが垣間見えた。