史上空前の“混セ” 各球団で後半戦のキーマンとなる人物は?

ヤクルトはドラマチックな展開も…、広島、阪神のキーマンは?

「館山が戻ってきたことで、ヤクルトのピッチャー陣が好転するかもしれない。今年は最後まで、投げて10日抹消、投げて10日抹消となるんでしょうけど。それをもう1人の誰か、病み上がりになる杉浦あたりと入れ替えでうまい具合に回していければ。ヤクルトは後ろの外国人3人がいいですからね。

 あとは、もし今年中に由規が戻ってきたら、ドラマチックな感じでまた勢いがつくかもしれない。荒木さんが復活した時みたいに。あの時は優勝しましたよね。あんな雰囲気になりますよ。長くリハビリで耐えて、戻ってきたら」

 打線はすでに破壊力を見せ始めているだけに、バレンティンが戻ってくれば鬼に金棒。浮上するための要素は多いと言えそうだ。

 さらに、野口氏はもう1つの古巣・阪神についても「戦力的には(優勝の)可能性があるのかと思います」と見ている。そして、内野手の起用法について、意外なアイデアを明かす。

「どのチームも決め手がないですけど、強いて言えば阪神が(優勝に)一番近い。(優勝候補を)無理矢理作れと言われたら、阪神かなと。両外国人が打ち始め、福留が打って、鳥谷もデッドボール後遺症がなくなって。

 あとは、新井や今成以外に、サードを守れる選手がいれば。体が元気だったら関本をそこに入れても面白いですよね。狩野が代打で使える目処がたってきたので、関本をスタートで使ってしまう。体が元気で動けるなら、ですけどね。関本が6番にいたら嫌ですよ。返すバッティングもできるし、チャンスメークもできる。面白いと思います」

 そして、最後は広島。黒田の復帰、前田の残留などで台風の目になると予想されながら、序盤戦は苦しい戦いが続いた。しかし、全球団が低調だったことも手伝って、優勝の可能性も出てきている。打線、投手陣ともに故障者はほとんどいなくなり、バランスが取れた戦力となっている。

「あとは、打つ方で個人的なものが上がってくるだけですね。前半戦の最後に何イニング無得点というのがありましたけど、そういうのが出てきやすいチームなので。それが出てこなくなれば、いけると思います。新井はさすがに少しだけ疲れてきたかなという感じはしますけど、シアーホルツは安定してます。あとはエルドレッドの調子がもっと上がってくれば、また丸、菊池が頑張ると思います」

 そして、野口氏が重要視するのは、広島のピッチャー陣の配置。当初はクローザーを任せる予定だったヒースが安定せず、中崎を抑えに固定。そして、大瀬良を中継ぎに回すなど、緒方監督は試行錯誤を繰り返し、少しずつ形を作ってきている。

「広島はピッチャーのやりくりをどうするか。だから、キーマンは緒方監督なんじゃないですか」

 このまま“混セ”が続けば、最終戦で優勝チーム、CS進出チームが決まるような展開も十分に考えられる。誰も想像できない結末が訪れる可能性も十分にありそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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