【高校野球】鹿児島実が18得点の猛攻で開幕戦勝利 伝統の「裸練」の成果で初戦から全開
5回に一挙10得点、王氏の始球式で打席に立った有村が投打で大活躍
高校野球100周年を飾る第97回全国高校野球選手権大会が始まり、開幕戦は鹿児島実(鹿児島)が北海(南北海道)を18-4で破った。5回に一挙10点を奪う猛攻を見せて快勝。王貞治氏の始球式でバッターボックスに立った有村が4安打1打点3得点、投げてもリリーフで2回2/3を無失点と大活躍。伝統の「裸練」で鍛え上げてきた強豪校が、鮮やかに初戦を突破した。
鹿児島実は初回、先頭の有村がライトへのヒットを放つなど、1死二、三塁とチャンスを作る。ここで北海の山本が暴投。1点を先制する。さらに、1死三塁となってキャッチャーの渡辺翔のパスボールも出て、2点目が入った。
北海はその裏、1死一塁から丹野がレフトへタイムリーツーベース。1点を返した。
3回、鹿児島実は綿屋のレフトへのタイムリーで2点を追加。北海はその裏、鎌仲が右中間への2ランを放ち、4-3と1点差に迫るが、鹿児島実打線がすぐに取り返す。4回、1死三塁から北海の2番手・渡辺幹から有村がレフトへタイムリーを放った。
5回は1死から最上のタイムリー内野安打で1点を追加。さらに、橋本が2死一、二塁からセンターへのタイムリースリーベースを放ち、2点を加えた。なおも満塁とし、室屋がセンターへ2点タイムリー。ここで北海は3番手の大西を投入するが、流れは止まらない。綿屋、築地の連続タイムリーで13-3に。板越の四球で一、二塁となると、北海は山本をマウンドに戻したが、最上がタイムリーツーベースを放った。
鹿児島実はこの回だけで10点を奪い、15-3とした。
北海はその裏、丹野のタイムリーツーベースで1点を返す。さらに、7回、北海は先頭の柿沼が、6回途中にファーストからマウンドに上がった有村からセンター前ヒットを放つ。続く渡辺翔もセンター方向へ打ち返したが、遊撃手の長谷部が飛び込んでキャッチ。これをすぐに二塁の板越にトスし、超ファインプレーでダブルプレーが完成。無失点に終わった。
鹿児島実は直後の8回、柴田のタイムリーツーベースなどで3点を追加。9回は3番手の堂脇が北海打線を無失点に抑え、18-4で快勝した。
鹿児島実には伝統的な練習がある。朝練は上半身裸でトレーニングをするという「裸練(られん)。これが真冬でも行われるから驚きだ。ひと冬も、ふた冬も、裸一貫で乗り越えてきたナインは、夏の初戦から勢い全開だった。
また、鹿児島実の宮下正一監督は、90年夏のベスト8のメンバー。2回戦では初回に初球ホームランを放った。サイレンが鳴りやまない中でダイヤモンドを回るという印象に残る一発を放ったことで有名だ。
この日はホームランではないものの、1番打者の有村が先頭打者で初球をライト前へヒットを打って勢いをつけた。開会式直後の緊張するゲームでナインをリラックスさせ、4安打と大活躍。大量得点の足がかりとした。
投打で北海を圧倒した強豪校が19安打18得点の猛攻を見せ、開幕戦を鮮やかな勝利で飾った。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count