悪夢の敗戦 巨人・山口はなぜ注意を受けたのか

野球規則では異物の所持を禁止

 審判団の説明によると、ユニホームのポケットに物が入っていて、投球のたびにそれに触れていたとのことだった。

 野球規則の8.02で投手は不正投球の疑いがないように「いかなる異物でも、身体につけたり、所持すること」が禁じられている。つまりポケットの中に物が入っていたら、出すように命じられる。山口は指摘を受けたが、そこで宮国と交代になったため、その「異物」を出すことはなかった。出す必要がないと抵抗もしたのかもしれない。

 投手はマウンドで孤独になる。時に力をもらうために、帽子のツバにマジックで言葉を書いたりする。「気持ち」「気」「自分に勝つ」「気合」「真っ向勝負」……など心を奮い立たせている選手がよくいる。また、滑り止めなどボールに変化を及ぼすようなものを持っていたわけではないだろうが、投手にとってはお守りのように心の拠り所となるものをこっそりと忍ばせているケースは過去にもあった。

 つまり山口は規則に違反することがあったため、審判から注意を受けていたのだった。特に今年は例年に比べて山口の調子は良くない。何にでも頼りたくなる気持ちも理解はできる。それだけ投手、特に打たれたらチームの負けに直結するセットアッパー、クローザーは厳しいポジションだということなのだ。だが、いずれにせよ、指摘を受けた以上、山口の次回以降の登板には厳しい視線が及ぶことになるだろう。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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