快進撃続くカブス、PO進出現実味 107年ぶり世界一も「可能性秘めている」

“負け組”からの脱却、勢い衰えないカブス

 カブスの好調が続いている。8月7日の試合を終えて60勝48敗。ナ・リーグ中地区では3位だが、ワイルドカード争いでは合格圏内の2位につけている。6日から始まったジャイアンツとの4連戦は、ワイルドカード争いを占う上で、非常に興味深いシリーズだが、カブスが2先勝して流れをつかんだ。

 三塁クリス・ブライアントや二塁/遊撃アディソン・ラッセルら若手が成長したのに合わせ、知将ジョー・マドン監督とエース左腕ジョン・レスターをオフに獲得したカブスは、5年連続負け越していたにも関わらず、開幕前予想で地区優勝のみならずリーグ優勝、ワールドシリーズ優勝まで予想する解説者や記者もいたほどだ。

 それでも、“負け組”から“勝ち組”への転身は簡単なものではない。しかも、負け越しが5年も続いていたとなれば“負け癖”がついていてもおかしくない。さらに、開幕してから次々と若手有望株たちがデビューを果たしているため、マイナーを含めても経験の浅い選手ばかりだ。今季は勝率5割あるいは5割を少し上回る成績で、それを足場としながら来季以降にステップアップするのが順当。いくらマドン監督が率いているとはいえ、前半終了の声を聞く頃には勢いが止まると思われていた。

 が、そんな予想を裏切るかのように、8月初旬になっても、カブスの勢いは衰えることを知らない。開幕当初は新体制に期待する原稿を書きつつも、どこか疑心暗鬼だったシカゴの地元メディアですら、「これはいける。7年ぶりのプレーオフ進出だ!」と息巻き始めた。地元メディアは、これまで何度も裏切られ続けたため、なかなかカブスを信用しようとはしない。そんなメディアの気持ちを動かすほどの勢いとパワーが、今のチームにはある。

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