通算400二塁打の楽天・松井稼 再び価値高めた右翼守備への適応も“偉業”?

今季は通算2000安打も達成。昨年は苦しんだ外野守備への適応が奏功

 先月史上46人目の日本通算2000安打を達成し、14日の日本ハム戦では同12人目の400二塁打に到達した楽天イーグルスの松井稼頭央選手が、40歳を目前にしたシーズンでも主力としてチームに貢献している。

 松井選手にとって、2015年は背水の陣と言ってよいシーズンだった。遊撃手を務めていた2013年に守備のパフォーマンスに問題を抱えている様子が確認され、翌年、負荷の軽い三塁、左翼などへのコンバートが行われた。

 しかし、これらのポジションでも守備評価における好ましい数字は出ておらず、適応するに至らなかった。攻撃では一定の数字を残していたものの、それを生かせるポジションが見つからなければ、ラインナップから名前が消える可能性もある。そんなシーズンだったのだ。

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松井稼頭央のコンバートに伴う守備指標の変化

 ところが、事前の準備をあまりできずに臨んだ昨年とは違って、キャンプから外野へのコンバートを前提に準備できたことが好影響したのか、今年守る右翼では昨年を上回る数字が記録されている。平均的な右翼手が1000イニングを守った場合に比べ、1.8点ほど失点を減らす働きを見せ、特に守備範囲をある程度広く保っている様子が観測できる。なお、シーズン序盤はさらに広い範囲をカバーしていた。

 松井選手はこの2年、反応速度などがより重要な遊撃手や三塁手では苦戦してきた。しかし今年は、右翼では高いレベルを維持する思われる脚力などを生かし各球団の右翼手を上回る好守備を見せているようである。

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