イチローの偉業を特別な瞬間にした敵地観衆の喝采　「これがセントルイス」

「これがセントルイスの観衆。誇らしい。最高」

　解説者は「彼らはみんな知っているのです。なぜなら、昨日、タイ・カッブの記録に並びました。そして、セントルイスは彼が今、超越したことを理解しました。これがセントルイスの観衆なのです。誇らしい。最高ですね」と感動的なシーンに胸を熱くしている。

　敵地で試合を中継していた「FOXスポーツ・ミッドウェスト」の実況も、野球殿堂に送られるであろう歴史的一打のバットとボールがMLB関係者に回収されたことを伝えながら「ここセントルイスで喝采です。素晴らしい瞬間です」と伝えた。

　さらに、マイアミの地元紙「パームビーチポスト」のジョー・カポッツィ記者はツイッターで「一流のカージナルスのファンは（日米通算安打で）タイ・カッブを抜くヒットの後、イチローに素敵な喝采をプレゼントした」とレポートしている。

　カージナルスは1882年創設と長い歴史を持つ伝統球団で、ヤンキースに次ぐメジャー2位のワールドシリーズ制覇11度を誇る。21世紀に入ってからも2度の世界一に輝き、4度のリーグ制覇、7度の地区優勝を含む10度のプレーオフ進出と安定した強さを見せている。

　セントルイスのファンは野球を知り尽くしており、なおかつ熱狂的なことでも知られる。ポストシーズンの試合などでは、球場は独特な雰囲気に包まれる。その土地でイチローの大記録が生まれたことで、特別な瞬間はさらに感動的なものとなった。

　相手チームであろうと、偉大な記録には拍手を惜しまないブッシュ・スタジアムの観衆も、米国内で感動を呼んでいた。

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フルカウント編集部●文　text by Full-Count