パが仕掛ける台湾戦略 野球通じて日本を猛アピール、「球場に足運んで」
野球を通じて日本をアピール
試合前からは、フィールド上でも統一ライオンズチアガールズ「UNI-Girls」と「Pacific League Girls」の日台チアコラボや同じくマスコット「Lion」と「レオ」の日台コラボも繰り広げられた。
当日の盛り上がりは訪日を強力に促進する内容だったが、今回はさらなる新しい取り組みとして、球場外でも台湾のTVやネットにおいて、パ・リーグ本拠地への旅行を促進させる動画CMが同時に展開された。パ・リーグでプレーする台湾人選手や、各球団の主力選手が各本拠地エリアの名所や特産品をPRしており、野球というコンテンツを通じて日本を強力にアピールしている。台湾の現地語である繁体字版のみでなく、英語版も展開されており、より幅広い言語圏の人へアピールしている。
JNTOやパ・リーグと連動して、官民連携事業全体を統括したJTBコミュニケーションズ滝川貴志氏は「パ・リーグには台湾の人々を魅了する人気選手や全国6カ所の球場と周辺に広がる多数の観光施設があります。これらは地域創生や地方誘客への新しくかつ強い取り組みとして着目したことがこの事業のスタートでした。プロ野球が生み出す感動が、世界の人々への訪日旅行に対する新しいモチベーションを喚起する、一つのきっかけになることを強く期待しています」と語る。
2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることもあり、これまで以上にインバウンド(訪日旅行)が加速する社会環境のなか、パ・リーグが展開している台湾でのプロモーションにより、台湾人の日本の球場への来場も増加していく事が予想される。
主催者のひとりであるパ・リーグマーケティングの根岸友喜氏は「今回のイベントに関する現地メディアでの露出がすでに相当量あり、日本のプロ野球に興味関心を持っていただいていることはよく分かりました」と語っており、パ・リーグを中心とした関係者が打つ、次の一手が注目される。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count