14年ぶりリーグVへ ヤクルトが乗り越えなければいけない壁とは?

優勝争いの中でチームは成長していく?

 対照的にヤクルトは4回、6回、8回と先頭が二塁打で出塁。だが3度とも後続が凡退し、得点を奪えなかった。三木コーチは「何とかしようと思いすぎて、硬さが出てしまった」と振り返る。勝負所での差がハッキリと出た試合だった。

 だが、この3連戦はいいレッスンになったはずだ。ヤクルトが最後に優勝争いをしたのは2011年(最終順位は2位)。現在のスタメンで、その時に主力だったのは畠山和洋と川端慎吾だけ。多くの選手が入れ替わった。

 山田が「今年は毎試合、本当にプレッシャーがかかるし、体力的にも、精神的にもしんどい」と言うように、優勝争いする中で戦うのは、若いチームにとって初めての経験だ。三木コーチが「今回の3連戦は、今まで感じたことのない緊張感のあるゲームだったはず。僕らコーチを含めて、この経験を生かしていかないといけない」と振り返るように、真剣勝負を積み重ねることでチームは成長していく。

 地力は確実に備わってきている。リーグトップのチーム打率2割6分を記録している打線にばかり注目が集まるが、ここまでのチーム失策52はリーグ最小。昨年はワースト2位の97失策を喫していたことを考えれば、昨年の秋季キャンプからこだわってきた守備も形になりつつある。

 8月25日からは巨人と3連戦、28日からは阪神3連戦、そして9月1日からは再び巨人との2連戦が待つ。14年ぶりに優勝するためには、この大きな壁を乗り越えなければならない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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