3度目の正直ならず… 広島出身、巨人・田口麗斗が地元登板で背負うもの

「広島の野球が育ててくれたです。恩返しをしたい」

 本人は真っ赤に染まるカープファンのスタンドを見ても、過度なプレッシャーは感じなかったという。「僕はここを敵地、アウェイだと感じたりはしないですね」。やはりどこかに地元の温かさを感じていた。3度の登板では家族、親族、友人らもかけつけ、カープファンからも「田口、頑張れ!」の声が飛んでいた。

「僕は広島の野球が育ててくれたです。恩返しをしたいです」。田口はそう話す。

 小さい頃、プロ野球を見にいったのは数えるほどしかない。「緒方監督が現役の時で、ヤクルトには青木さんやガイエル選手とかがいた気がします」。「あと黒田さんもすごいなと思って見ていました」とも振り返る。幼少期は見るよりも、とにかく自分で野球をやる時間の方が長かった。週末は少年野球チームで練習と試合に励み、平日も学校が終われば、毎日、友人と全力で野球に興じた。

 マツダスタジアムのマウンドに立つと、敵地というよりも「甲子園に行けなかった場所」だと思う。この思いが田口をプロ入りへと近づけた。

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