3度目の正直ならず… 広島出身、巨人・田口麗斗が地元登板で背負うもの
胸に刻まれた高校2年生夏の敗北
2年生の夏の準決勝。広島新庄高校は、マツダスタジアムで盈進高校に0-3で敗れている。
先発した田口は0-0の6回に3失点。その後はゼロに抑えたが、完封負けを喫した。小さい頃からとにかく負けることが嫌いだった。この一戦の悔しさが当時まだ無名だった田口を変えた。練習でも自分を追い込むようになり、全体練習後の走り込みも自主的にやるようになった。なぜ負けたのかを追い求めた。
結果的に3年生では決勝まで進んだものの、広島県尾道市にある、しまなみ球場で敗れ、甲子園には出場できなかったが、この時はすでに高校屈指の左腕投手になっていた。投手・田口を飛躍的に成長させたのが、2年生の夏、マツダでの敗北だった。だから、田口は「広島の野球に育てられた」と話すのだ。
5月4日は6回途中1失点、7月26日は6回2失点、8月23日は6回2失点。白星には結びついていないが田口は地元で意地と成長の跡を見せている。熱狂的なカープファンにもそれは届いているはずだ。しかし、負けん気の強い田口は「感謝」の気持ちを、勝利投手となって証明するまで、全力でカープにぶつかっていくだろう。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count