大谷翔平が今季最速161キロを叩きだしたワケ 西武中村への“特別な思い”
なぜ中村に特別な思いを抱くのか?
雪辱を期した相手だった。
7月24日の西武戦(西武プリンスドーム)。中村に満塁弾を含む2被弾で5失点した。中村に食らった2打席連続被弾、満塁弾はともにプロで初めて。打線の強力援護で11勝目は手にしたが、「悔しい思いがある。たまたま負けがついていないだけ」と表情をゆがめていた。
その次の対戦となった8月11日の西武戦(西武プリンスドーム)では、4回1死では159キロ直球、6回2死は154キロ直球で中村から2打席連続空振り三振を奪った。1点リードの7回、メヒアの逆転2ランで今季3敗目が決まったが、試合後、中村との対戦を、こう振り返っている。
大谷「試合の内容で(借りを)返せれば良かったけど。おかわりさんには真っすぐを打たれているので、今日は真っすぐで三振を取ろうと思いました。押し切れたのは良かったのかなというのは多少あります」
今季の対西武・中村はここまで打率2割5分(16打数4安打)、2本塁打、2四球、7奪三振。三振か、本塁打かの真っ向勝負を演じている。
ここまで「投手5冠」。ハーラー単独トップの13勝(3敗)、防御率1・98、161奪三振、完封勝利3、勝率8割1分3厘と圧倒的な成績を残している。将来的なメジャー挑戦を視野に入れているという大谷だが、一野球選手として、日本球界で本物の力勝負が出来るのは、「おかわり君」だけなのかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count