躍進はフロックではない ヤクルトが上位対決6連戦に大きく勝ち越せた理由

優勝に向けて本当の山はここから

 チームでは日本人最年長の左腕の好投に、若手も黙っているわけにはいかない。翌26日には小川泰弘が巨人打線を7回1/3を0封。27日にはドラフト4位右腕の寺田哲也が5四死球を与えながらも、3回を無失点に抑える粘投を見せた。

 また阪神との甲子園3連戦では、ロマンこそ打たれたものの、石山泰稚、館山昌平が共に調子が悪いながらも試合を作ったおかげで、勝ち越しに成功した。

 打線も川端慎吾、山田哲人、畠山和洋の3人を中心に好調を維持。そこに加え、8月は打率2割1分3厘と落ち込んでいた大引が、同30日の阪神戦で決勝の3点三塁打をマーク。「8月は調子を崩して、チームに迷惑をかけてしまった。僕が打てるようになれば、チームも波に乗れると思う」と復調の兆しを見せており、さらに厚みが出る。

 優勝に向けての本当の山はこれからやってくるだろう。今は追いかける立場だが、追われる側になったときも、果たして「チャレンジャー」で臨めるのか。それに加え、巨人と6試合、そして、ここまで9勝9敗と五分の広島と7試合を残しており、厳しい戦いは続く。

 それでも指揮官は自信を見せる。

「確実にチーム力はついてきたと思います」

 この躍進は決してフロックじゃない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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