日本人内野手が苦しむMLBに1年目から適応 評価高まる韓国人大リーガー

青木も称賛「1年目でこれだけできるってすごい」

 ハードル監督は「彼の存在は日に日に大きなものになっている。本当によくやってくれている」と称賛を惜しまない。自らも控え選手からメジャーのキャリアをスタートさせた青木宣親も、反対側ダグアウトから姜正浩の努力を称える1人だ。

 メジャーでプレーする姜の姿を、青木が初めて見たのは、6月1日からサンフランシスコにパイレーツを迎えた3連戦でのことだった。それから2カ月半が過ぎた8月20日。ジャイアンツがピッツバーグに乗り込んだ4連戦で、14打数6安打2本塁打と大活躍した姜を見て、こう言った。

「すごいよね。1年目でこれだけできるってすごい。打席でのアプローチを変えたよね。6月に比べて、ボールを前でさばくようになった。おそらく、今年は打率よりもパワーを重視することにしたんじゃないかな。

 手元に引きつけるんじゃなくて、少し前でボールをさばくようにすると飛距離が伸びるから。今年はそのスタイルで行くんだろうね。それにしても、この短期間にスタイルを変えて、メジャーに適応するなんて、なかなかできないこと。持っている才能は本当に高いんだと思う」

 チーム内外から称賛の声が集まる姜正浩。プレーオフに進出まで、そして進出後の活躍にも大きく期待ができそうだ。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

佐藤直子 プロフィール

群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY