【U-18野球W杯】初の世界一へ、4番・清宮は復活できるか　“怪物”が抱える問題点とは？

「打順を落として良くなる問題でもない」

　なぜ、そんな問題が起きてしまうのか。「打とう打とうという気持ちが強すぎるのだと思います」と野口氏は言う。結果が出ていないことで、悪循環に陥っているという。

「ボールを（長く）見ようとしすぎて、体が遠ざかっています。顔がボールから遠ざかりながら空振りをしている。どんなバッターでも、ミートポイントは（左打者なら）右足の前くらいなんです。体の前くらいでなんて打てるわけないんです。でも、今は打ちたいから、ボールを見ようとしすぎて、ミートポイントが体の前くらいになっている。（ボールから）距離を取ろうとしすぎて、入られすぎて、逆に近くなっている。踏み込んでいけていない。だから、落ちるボールは打てない。

　今は、打ってもサードのポップフライか、ボテボテのファーストゴロしか飛ばないように見えます。そして、ちょっと落とされると当たらない。そういう状態だと思います。そこは直さなきゃいけない部分ですね。基礎の基礎なので。『こういうタイプのバッターに育ってほしいからこうする』という部分ではなく、それ以前の問題です。直さないと、（ボールに）当たらないまま終わってしまいます。カナダ戦の三振がいい証拠です」

　1年生にして高校日本代表の4番に座るという重圧も影響しているのか。野口氏は「打順を落として良くなる問題でもないんです」と続ける。