阪神優勝へ鍵握る1人 岩田に必要なのは「走者」ではなく「打者」との対決
「ピッチャーにとって第一はバッターを抑えること」
「去年はそこまでのクイックを使っていなくてもいい成績を収めていたんだから、そこを変える必要はなかったかなと思うんですよね。そんなに速くしなくてもよかった。1.25秒かかっていたものが、1.21~22秒くらいになればいい。3/100秒というのは簡単なんですよね。(投げる)ボールには影響しない。
1.20くらいを目標において、5/100秒くらい速くしたいと。それくらい速ければいいと思うんですよ。ボールにも影響しないと思うんですよ。それをもっと速くしようとするから。1.15秒とかに目標設定してしまうと、ボールにも影響出てしまいますよね」
確かに、昨年の岩田は盗塁を許す場面が目立った。野口氏は「しょうがないとは思うんですよね」とも言う。「阪神のキャッチャーの(盗塁)阻止率が上がってこないので。でも、それはそれで、そういうものだと思って投げたほうがいいと思います。刺せるキャッチャーが岩田の時だけ刺せないと言うなら、ちょっと問題ですけどね」。現状で、ピッチャーが過剰に意識する必要はないという。
「ランナーに動かれるのが嫌だということでしょうね。そんなに牽制とかがうまいタイプではないので。『岩田が投げたら動けないな』と思わせたいと思うんですよね。でも、投げる球が悪かったら、ランナーは動かなくても(ヒットや四球で)進んでいきますからね。ランナーとだけ勝負すればいいってことじゃないので」
野口氏は「ピッチャーにとって、第一はバッターを抑えること」とはっきりと言う。今年の岩田は、それが少し違う方向に向いてしまっているというのだ。