ヤ軍投手コーチが改めて振り返る黒田博樹の記憶 「真のプロフェッショナル」

「真のプロフェッショナルとしての姿勢を表す出来事」

 2012年のプレーオフでは、タイガースとのリーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)第2戦に中3日で先発し、8回途中5安打3失点で11三振を奪う力投を見せた。打線の援護がなく敗戦投手となったが、「彼は短い登板間隔で投げることを志願し、好投して見せた。真のプロフェッショナルとしての姿勢を表す出来事だった。あのときの投球はよく覚えている」。

 普段は穏やかだが、試合になると興奮気味にマウンドに駆け寄る熱い一面もある同コーチは、黒田の気迫こもった投球に心を揺さぶられた。

 黒田の野球に取り組む姿勢は周りの選手からも尊敬されていた。

 黒田が座右の銘にしていた「耐雪梅花麗(雪に耐えて梅花麗し)」(西郷隆盛が詠んだ漢詩の一節で「苦しまずして栄光なし」の意味)は、ヤンキースナインの間で浸透。黒田は日本語でこの一節が書かれたメーカー特注のトレーニングシャツを着ていたのだが、この言葉に感銘を受けたのが、中継ぎとして2014年まで在籍したクライボーン投手と今季からパイレーツに移籍したセルベリ捕手。2人とも黒田から同じ文字の入った特製のトレーニングシャツをもらい、練習や試合で着用していた。

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