【高校野球】「金属バット禁止」の声も!? 清宮が目覚ましい進化、16歳怪物を変えたモノ
心に生じた「余裕」、目標の高校80発に届くか
さらに、もう一つは世界レベルのボールを体感したことだ。
例えば、決勝で戦った米国の先発左腕・プラッドは清宮と同じ16歳ながら、140キロ台の直球に加え、消えるようにして落ちるチェンジアップで組み立て、7回途中で9三振を奪い、清宮を含め、日本打線を圧倒。その球筋は、日本の高校野球では到底お目にかかれないものだった。
チームはV逸し、一部では4番として責任を問う声もあったが、清宮は苦い経験を決して無駄にすることはなかった。その証拠に、都大会でこのようにコメントしている。
「一番大きかったのはこの夏、たくさんのいいピッチャーの方々と対戦できたこと。その中でチェンジアップに苦労したり、インコースを直球で攻められて打ち取られたりした。甲子園、世界大会を経て、追い込まれても臆することなく、打席での余裕というか、その辺の成長はすごく感じた」
甲子園を戦って、さらに世界レベルを体感した。普通の高校1年生では到底、経験することのできない夏を過ごしたことで、技術面でのレベルアップ、メンタル面での余裕を生み出しているようだった。
とはいえ、清宮にはあと4回もの甲子園出場のチャンスが残されている。高校での目標本塁打数について「80本くらいは打ちたい」と語っていた怪物。来春センバツを目指し、今月から始まる都大会本戦でも、進化した清宮の勢いを止めることは、容易ではないだろう。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count